“
- オタク学入門(岡田 斗司夫)のまとめ 〜 本の要点まとめサイト【ブクペ】 〜 (via applearts)
天才キューブリックの根性SFX「1秒の画面に4時間の撮影時間」
宇宙空間で撮られた写真には特徴がある。変にコントラストがはっきりしている。太陽の当たるところは真っ白に飛んでいるし、当たらないところは真っ黒に写っている。そして画面の手前から奥まで、全てピントが合っているのだ。
明暗差が激しい理由は簡単だ。地球上だと、大気のせいで光が拡散して、暗いところも明るいところもそれなりに見えるのに宇宙空間は真空なので光の拡散がまったく無いためだ。しかし画面手前から奥までピントが合っている理由は、宇宙用カメラには広角レンズが搭載されているためだった。
もともとドキュメントカメラマンだったキューブリック監督は、このリアリティにこだわった。地球上でも、太陽の光が燦々と降り注ぐ南の島や砂漠で撮影するとコントラストの激しい写真になる。
そこで、キューブリックが採用したのが「長時間露光」という撮影法
キューブリックは宇宙空間のシーンを撮影するとき、ミニチュアにありったけのライトを当てながら、絞りを限界まで絞り込んだ。その結果シャッターを何と10分間、つまり600秒、開放することになった。
一方向から強いライトを当てながら600秒もの間、シャッターを開けっ放しにする。するとどうなるか?
ディスカバリー号は、光と影だけの存在となった。そして10メートル以上あるその宇宙船のミニチュアの船首から艦尾まで、完全にピントが合っている。
圧倒的にリアルな宇宙空間が撮れたのだ。
しかしそのかわり1コマ、24分の1秒分のフィルムを撮影するために10分かかる。
たった1秒分のフィルムを撮影するのに4時間も必要なのだ。
つまり努力と根性と、非常識なほどの制作期間が必要というわけだ。
- オタク学入門(岡田 斗司夫)のまとめ 〜 本の要点まとめサイト【ブクペ】 〜 (via applearts)